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〈英国コラム〉イギリスの湖水地方ってどんなところ?ケンダル編

2022.8.31 更新

River Kent ケンダルの街中を通る河川 リバーケント -

湖水地方の玄関といわれるオクセンホルム駅の隣、あまり観光客を見かけることのない静かな街があります。 Kendal ケンダルの街は、地元で採掘された灰黒っぽい石を使った街並みがとってもシックな雰囲気の、別名オールド・グレイ・タウンとも呼ばれる古い街です。

駅もオールドグレイカラーで素敵。

湖水地方は20kmほど車を走らせて別の街に行くと、街の色、レンガの色が変わったり、樹種が変わったりと、街ごとに特色があるのがまた旅の気分を盛り上げてくれますね。前述のグラスミアからケンダルまでは30kmほどの距離です。

この街で、1812年に創業したファーラーズ、正式には『Farrer's Tea & Coffee House』が私たちティーペイストリーズが専属で扱う紅茶のティーハウスです。グラスミアのバルドリーズさんをはじめ、湖水地方のほとんどのカフェやホテルで親しまれているブレンドティーを生み出したファーラーズを中心にケンダルをご紹介します。

街の中央にはランドマークである、Kendal Town Hall Clock。1591年に建てられた時計塔ですが、今でも現役で利用されていて、お昼と15時、夕方に鐘が鳴り響いていました。15時はティータイムの休憩かな。

早速ファーラーズへ。

建物自体は1637年頃に建てられました、こちらもかなり古い建築物ですね。1812年にJohn Farrer氏がこちらの建物を買い取って創業し、現在では地元のGrace家が所有しメンテナンスをしつつ、運営されています。

もともと英国は紅茶が流行する前、コーヒーが主流でしたので、英国の老舗のティールームの多くは、コーヒーハウスからはじまった所が多く、ファーラーズも同様です。

こちら、外観からは想像できないのですが、なんと半地下〜4階まであります!階数の数え方が日本と違うかもしれませんが…

半地下は料理もお出しできるレストランスタイルです。スイーツが特におすすめとのことで、Grace家のお母さんと、2番目の娘さんが担当されています。

1階は紅茶中心、まず目に飛び込んでくるのは、19世紀に作られた大きな大きな紅茶のキャディ缶です。とってもクラシックで格好いいですね!

リーフやフレーバーも壁一面に。店主のレベッカさんと堀がオリジナルブレンドの話を進めていますので、お楽しみに。

2階にあがると、コーヒーやグッズが並びます。

3階、4階が客席となっていて、さらに屋根裏部屋があるみたいです。なんとも英国らしい内観。木板が軋む音も趣があってとても居心地の良い空間で長居しちゃいそう。

ファーラーズの外観の可愛いイラスト、陶器の置物がありました。

紅茶のメニューは看板商品のレイクランドスペシャルをはじめ、たっぷり。さすがのティーハウスです。

やっぱりファーラーズで飲むレイクランドスペシャルは最高でした。日本でも同じ味をお客様に出せるよう、試行錯誤中です。

ランチもアフタヌーンティー(要予約)も楽しめますので、もしケンダルのファーラーズに訪れることがあれば、ティータイムに必ず寄っていただきたいです。

もちろんファーラーズだけでなく、ケンダルには17世紀創業のチョコレート屋さんや、パブなど、立ち寄りたいスポットがいくつもあります。

観光地、というよりも地元の人たちが暮らす街で、静かに散策を楽しみたい方は、ぜひケンダルを訪れてみてくださいね。

次回は湖水地方の東部の街、ペンリスをご紹介します。